ガイアフローディスティリング株式会社が手掛けるガイアフロー静岡蒸留所。
2016年の創業から早5年。遂にウイスキーと呼べる三年物が2020年の12月に登場しました。
今の所、当店にて飲めるのは軽井沢蒸留所から移設した蒸留機Kのみの原酒を使った。第一弾のエピローグKと富山のシングルモルトウィスキー通販専門店モルトヤマさんのバーボンバレルのプライベートカスクのプライベートボトルです。
2021年6月19日には、第二弾の直火式の蒸留機Wの原酒を使った。エピローグWが発売開始になります。
新しくジャパニーズウィスキー界に新風を巻き起こす存在が静岡蒸留所です!
ガイアフロー静岡蒸留所
ガイアフローは、ボトラーズの「ブラックアダー」やインドウィスキーの「アムルット」、ブレンデッドの「ハイランドクイーン」のインポーターとしてスタートし
静岡県静岡市の葵区の中にある玉川地区落合。通称【奥静】に静岡蒸留所はあります。
南アルプスから流れる伏流水がやがて大いなる安倍川へと成長し駿河湾へと流れていきます。標高は200m玉川地区。400m級の山々に囲まれた自然豊かな土地です。そこに地元のヒノキを使い建てられたのが静岡蒸留所です。
温暖な気候から天使の分け前はスコットランドで年間2%の所静岡蒸留所は5%となります。
玉川地区は、静岡市の北部、安倍川支流域に位置し、お茶や林業で栄えた地域です。地域内を流れる中河内川は、キャンプ、バーベキュー、川遊びや渓流釣りスポットとしても人気です。
毎年6月になると、地区にある長光寺で、多品種の山あじさいが咲く「長光寺の山あじさい祭り」が開催されます。さらに、8月になると5万本のひまわりが咲く「ひまわり祭り」が開催され、多くの見物客で賑わいます。
KとW 二つのポットスチール
静岡蒸留所には合計四つの蒸留機があります。
ハイブリッドが一機
フォーサイス社の2機、その内1機は薪直火式の通称Wです。
Kは今は無き軽井沢蒸留所の蒸留機をオーバーホールしたものです.
スコットランドの蒸留機をベースに1950年代に三宅製作所で製造されたポットスチール
四つの蒸留機は大分傷んでいて使える部品や部分を寄せ集め一つの蒸留機に組み直しました。
ランタンヘッド型のなだらかに下向きに伸びるアームが印象的です。
もう一つの蒸留機wはスコットランドのフォーサイス社の世界でも数少ない直火式の蒸留機であり、
更に珍しい薪を燃料としています。薪は地元の方が一つ一つ丁寧に割った。地元の針葉樹の間伐材を使い、地域の一員としてのかかわりも大事にしています。
その火力は中の温度を800度まで上げるほど力強く、独特のスモーキーさも付け加えてくれます。もしかしたら現存するポットスチールで薪の直火式はここだけかもしれませんね。
コストや手間は掛かりますが、200年以上前の技術は酒質に独特の厚みを与えパワフルな原酒を生み出します!
因みにWはWood Fireの略になるようです。
モルトミルと発酵槽
静岡蒸留所にはもう一つの軽井沢蒸留所から来たものがあります。
ポーティアス社(英国)製のモルトミルです。ポーティアス社と言えば、その製品は殆ど故障せず頑丈だった為。新しく売れず倒産してしまうほどの素晴らしい技術と製品を作り出す企業だったのです。現在新品は無く、大変貴重なアンティークの機械になります。静岡蒸留所では、年代物ですがオーバーホールされ今も現役バリバリで動いています!
発酵槽は八槽の内、四槽がオレゴンパイン材。もう四槽は地元静岡産の杉材を使った発酵槽になります。秩父蒸留所のミズナラが材としては有名ですが、杉は大変珍しいです。
木の発酵槽はステンレス製等の金属製に比べて乳酸菌の量が大変多く、土地由来の個性的な風味と味わいを作る大事な要素になっています。
軽井沢蒸留所から来た蒸留機とモルトミル。地元の杉の発酵槽等、静岡蒸留所に散りばめられたキーワードは期待値を高めてくれます。
シングルモルト日本ウイスキー 静岡プロローグK 55.5%
昨年末の12月19日発売になった第一弾のシングルモルト。
2016~2017蒸留の三年物。
麦芽は日本産の麦芽が50%。スコットランド産ピーテッドモルトが30%。ドイツとカナダ産のピルスナーモルト20%の比率で使用。発酵はオレゴンパインと杉の発酵槽両方のものを使い。
蒸留はもちろんKの蒸留機。樽は1stフィルのバーボンバレルで熟成。
5000本限定
フルーティーな中にウッディーな薫り、軽やかなピートと明るい甘味がエネルギッシュな一本。
静岡 2017 3年 63.9% バーボンバレル モルトヤマプライベートカスク
モルトヤマさんのプライベートカスクボトルです。一口カスクオーナーのキャンペーンで募った方には、ボトルが二本送られています。
こちらは2017年11月28日蒸留。
蒸留機は初留はKで再留はWになります。
樽はEXバーボンバレル。
ボトリングは2011年2月16日。ノンピートの三年物。226本
尖った感じのあるが、飲み進めるうちに奥からウッディーで柔らかい甘味が染み込んでいく。
シングルモルト日本ウイスキー 静岡プロローグW
6月19日に第二弾となるウイスキー。
静岡プロローグW
が発売されました。
今回は蒸留機Wで蒸留された原酒を使っています。
こちらはまだ店舗にはありませんが、飲み比べしたいですね!
最後に
これから更に熟成を重ねたウイスキーが静岡蒸留所から出てくるでしょう。
気候からやや熟成は早いかもしれませんが、これからも既成概念に捉われない面白い試みをしてくれるでしょう!