イギリスという国は本当に不思議な国です。イギリスという名前の元には4つの国があり、似てるけど違う文化があって変化に富んだ国です。僕はバグパイプやウイスキーが好きなので自然にスコットランドに興味を持ち、お店のン前も「The Royal Scotsman」とスコットランド押しです。
スコットランドにとって11月30日は大切な日で、日本で言う建国記念日に当たります。「セント・アンドリュ―ス・デイ」と言って、聖人の日とされています。同じようにイングランド、アイルランド、ウェールズにも同じような聖人の名を取った国民の祝日があります。
日本では3月17日のアイルランドのセント・パトリックス・デイは一番の知名度というか、これしか知られていないという現状もあります、日本にアイリッシュパブはそれなりにありますが、スコティッシュ、イングリッシュ、ウェリッシュというのは・・・
3月1日 セント・デイビッド・デイ(ウェールズ)
3月17日のセント・パトリックス・デイ前にウェールズのセント・デイビッド・デイがあります。ウェールズは日本ではあまり知名度が高くは無いのかなと思います。しかし、英国菓子やティールーム関係ではウェールズと南コッツウォルズ周辺の田舎はその街並みも有名で、その歴史も含め人気のある土地です。そのウェールズの聖人が「聖デイビッド」です。
聖デイビッド
スコットランドの聖アンドリュースもそうなのですが、各聖人はその国でキリスト教の普及活動をしました。ウェールズで行ったのが聖デイビッドです。
キリスト教はイングランドよりもウェールズの方が先に人々に受け入れられていて、彼が生まれた5世紀後半にはすでに修道院も建てられていたと言います。ケルト民族のカレディギオン(現在、下の地図で赤線で囲まれている地域と言われています)の族長の息子で、実は母親は尼僧でした。当然のごとくデイヴィッドは修道院に入って聖職者となります。
デイビッドの生誕にはある言い伝えがあります。彼が生まれる30年前にアイルランドの聖人パトリックスにより予告がされていて「デイビッドが生まれたら彼に任せるように。」と伝えられていたそうなんです。
聖人ということもあり、様々な言い伝えがあります。デイビッドが1枚のハンカチを広げでその上に立つと地面が盛り上がり丘になった。そしてその丘から説教する姿が全聴衆にハッキリと聞こえた。とか、デイビッドの説教の間は彼の肩に白い鳩が止まっていたとも言われます。このことは彼の肖像画やステンドグラスにも白い鳩が描かれています。彼は非常に人気の高かった聖人だったとも言われます。
デイビッドはとても禁欲的な人物だったようで、食事も野菜とパンと水しか口にしなかったため「水の男」と呼ばれていたそうです。彼の性格にもよるものなのか、自己節制と修練は弟子たちにも求められますが、心が清らかで私欲が無く、愛する気持ちの深さで多くの人々を魅了したと言います。
デイヴィッドは589年もしくは、601年の3月1日に永眠、遺体は聖堂内に埋葬されたとされています。
死後も彼の徳性を偲ぶ人は絶えず、多くの巡礼者がセント・デイヴィッズを訪れたことで、1120年にローマ教皇はデイヴィッドを聖人と認定しました。さらに、ウェールズの守護聖人となることも宣言ました。セント・デイヴィッズへの2回の巡礼はローマへの巡礼に、3回ならばエルサレムへのそれにも等しいとまで定められました。
セント・デイビッド・デイには何をするのか?
スコットランドのセント・アンドリュース・デイならハギスやウイスキーが想像しやすいですがウェールズって・・・という方も多いと思います。
国花である「Daffodil(ダフォディル)」日本では水仙がこれに当たります。そして、国章の「Leek(リーキ)」これはネギなんですが、日本の一般的な細い長ネギではなく、ポロネギなど太い西洋ねぎのことを言います。甘くておいしいんです。フランスにいたといは良くスープや煮込みで食べていました。それらのブローチを身につけるというのが一般的です。
ウェールズのラグビーではこれが有名です!
アイルランドやスコットランド、イングランドでは盛大に音楽のイベントやパレードがあったりして賑やかな印象ですが、ウェールズに住んでいる知人曰く「もちろんイベントなどはあり、それなりに華やかだったりするけど他の国と違い厳か。この日は自分がウェールズ人だということの再確認や誇りを感じる日だ」とうことです。
ウェールズの国旗
イギリスの国旗は、あの有名なユニオンジャック。イギリスの正式名称は「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」グレートブリテンにはイングランド、スコットランド、ウェールズ、そして北アイルランドを含めた連合国として成り立っています。これがイギリス。そのユニオンジャックには各国の要素が入っています。が!ウェールズの要素が見当たりません。
アイルランドは?と思うかもしれませんが、アイルランド王国との合同でグレートブリテン及びアイルランド連合王国が成立したときに、アイルランドの国旗としてアイルランドの有力諸侯だったキルデア伯(フィッツジェラルド家)の旗(白地に赤い斜め十字、セント・パトリック・クロス)というスコットランドのような斜めクロスで白地に赤のクロスしたものです。それが組み合わされました。
本題です。ユニオンジャックにドラゴンは描かれていません。緑色もありません。赤と白はイングランドの象徴的カラーなので考えにくい。そこで有力となるのは以下の通り。
ウェールズは13世紀末という早い時期にイングランドに服属し、スコットランドやアイルランドとの連合が成立したときには、既にイングランドの一部とみなされていたから。
さらに、ウェールズの国旗の一部をユニオンジャックのデザインに加えるべきだという議論がありますが、ユニオンジャックという国旗のとしての完成度の高さから、新たに描き足すことは不可能だという意見が多数を占めていると言われます。
国旗の意味と由来
背景の白と緑は、イングランドとの争いの末、ビルスの戦で戦死した最後のネイティヴ・プリンス・オヴ・ウェールズ のサウェリン・アプ・グリフィズ(Llewellyn ap Gryffyth) が用いた色と言われています。
その上に国の象徴とされている赤い竜。この竜は、大地ができた頃の地中には地震を起こし災厄を招く黒い竜がいて、それを水の神である赤い竜が倒して平和をもたらしたという、ケルト人の建国伝承に由来します。
ウェールズらしい料理やお菓子
国章がリークということでネギは確実に使います。でも、ウェールズはそれだけではありません。イギリス料理は美味しくないとひと昔は言われましたが、今はモダンな料理やスイーツの発信地にもなっています。EUだったことでヨーロッパ諸国の料理人が仕事をしに来たことで食文化レベルがアップしたと僕は思っています。
そして、このウェールズですがイギリスであってイギリスではない食文化を持ちます。「英国の中の異国」とも称されるイギリスのウェールズ。先にティールームなども有名と書きましたが、その様な文化があることで食も他の国とは違います。
歴史的背景が大きく影響をしているのですが、国として隔離されていたこと、労働者生活により自給自足が進んでいることで地産地消が昔から行われていました。なので本当の意味で小作農家の伝統的家庭料理が強く根付いたと言えます。イギリス全土でもそうですが、ウェールズのラムは特別有名です。もちろん海に面しているので漁業も有名です。
国章にされているリーキなんですが、土地があまり良くなくキャベツやリーキぐらいしか育たなかったそうで、ゆえにリーキは大量に使われたと。ちなみにシェイクスピアが史劇「ヘンリー5世」でリーキを飾るウェールズの習慣を登場させたんだそうです。
スコッツマンではスコーンの変形とも言えるようなウェルシュケーキを作っていますが、それ以外に何を作ろうか考えています。羊やサーモンは外せませんね!
「ウェルシュ・レアビット」という溶かしたチーズにビール、マスタードパウダー、ウースターソースなどを入れてコクを出したソースをトーストに乗せて焼いあものや、濃く煮出したアールグレイに漬けたドライフルーツを練り込んである「バラブリス」なんかも良いですね。
その他・・・色々と調べないとな!!
ウェールズのビールも輸入されてたけど、今は輸入されていないので無いんです・・・
さてどうしようかな。お楽しみに♪
ちなみに、何でも形から入ることが重要なのでウェールズにある雑貨屋さんに以下のものを注文しました。上で写真で紹介したラグビーファンが身に付けてますね(笑)