実は、3回蒸留もやってますよ!
スペイサイドのちょいとマイナーな銘柄!
ベンリネス蒸留所(BENRINNES)
ベンリネス蒸留所の名前の由来は、スペイサイド最高峰の山「ベンリネス山」
からきています。
ベン・ネヴィス蒸留所でもなく、ベン・ウィビス蒸留所でもないのです。
「ベン」とは、ゲール語で「山」という意味なので、
ベンなんちゃらという蒸留所名がいくつかあるんですね。
で、ベンリネス蒸留所は
スペイサイド地区スペイ川の東側にある蒸留所で、創立は1834年。
あれやこれやと所有者が代わり、リニューアルなどもしながら現在はディアジオの所有
になっています。
「ディアジオの異端児」といえば、一部を3回蒸留する複雑システムのモートラック蒸留所
が有名ですが・・・
実は、ベンリネス蒸留所も一部3回蒸留を行っているんです。珍しい!
なので、「ディアジオの異端児」って言われたりもします。
一部3回蒸留とは・・・3回蒸留したモノと通常の2回蒸留したモノを混ぜあわせて
樽に入れるってことです。
一般的に、3回蒸留を行うと酒質がライトになって軽い味わいになります。
ベンリネスもそうです。
しかし、ベンリネスでは2回蒸留で造ったモノが結構、重い酒質なので・・・
これとそれを混ぜて樽に入れて熟成することで、軽くフルーティーな香りと
口に含んだ時のしっかりとした味わいを表現しています。
また、ミディアムボディできれいめな酒質は、ブレンデッドウイスキーのブレンダー達から
高い評価を受けています。
そんな、ベンリネスから今回ご紹介するのは・・・
ベンリネス1988 モンゴメリー 56.4%
Benrinnes16y 1988-2005
スコットランド(スペイサイド)
Bottler’s Brand : アンガスダンディー
アンガスダンディー社はイギリスの会社で、ブレンデッドウィスキーや
シングルモルトウイスキーのボトリング、ウォッカやジンなども販売している
会社で、トミントール蒸留所とグレンカダム蒸留所を所有していることでも
有名です。
有名です、っていってもグレンカダムとトミントールってそもそもマイナー
ですよね(笑)
アンガスダンディー社によるシングルモルト『モンゴメリー・シリーズ』は
ベストの樽を選び、ブレンドしないでボトリング、全てシングルカスク、
蒸留日、瓶詰日とボトリング番号などのデータが細かく記載されている
シリーズです。
このベンリネス1988 56.4%は、カスク番号2829、16年もの56.4%、
1988年8月5日蒸留、2005年2月瓶詰めです。
色合いは柔らかい麦わら色でとてもキレイな味わいのウィスキーを
想像させてくれます。
最初のうちは、度数が高いこともあってツンと来るアルコール感が
ありますが、徐々にクリーミィーな香りが漂ってきます。
そして、パッションフルーツのようなつぶつぶとした黄色やオレンジ色の
果実を思わせるフレーバーとバターやハチミツのような香りが広がり
とても心地よいです。
このベンリネスの香りの中には、バターたっぷりのクッキーような
粉っぽい甘味が感じられます。
口当たりは、つぶつぶとした感じでややドライな余韻が特徴的。
じわっと広がりますが、クドくなく最後にはスッと消えていく感覚です。
ストレートでじっくり時間をかけて楽しめる一杯です。
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